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zoom RSS 屑鐵という名の電車

<<   作成日時 : 2009/11/03 13:00   >>

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走る奇跡、カルカッタ・トラムの巻。

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エスプラネードのトラム・デポにて。いやあ〜、夜に見るとよりいっそう歳経た凄みが迫ってくるね。

これもカルカッタのプライドの源泉(だと思う)、2009年現在印度でただひとつ一のトラムウェイ。1873年に馬を動力として営業をスタートし、1900年から電化開始。その後幾度となく廃止の論議が持ち上がり、また枝葉を刈り取るように徐々に路線網が縮小されてきたが、それでもしぶとく今日まで生き続けている。維基百科などによれば、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ボンベイ、マドラス、デリー、カンプル、ナーシク、パトナなどに路面電車が誕生したが、多くは第二次世界大戦前に姿を消し、1950年のマドラス、1963年のデリー、1964年のボンベイの営業終了をもって、カルカッタが唯一のトラムとして残った。

喧騒の市中にむぉ〜んという感じに現れて悠然と走るオンボロ電車はメトロなどより余程絵になるものだから、日本人の撮影になる美しいイメージもネット上に多い(旅の車窓からさん、まさやんの暇つぶしさん、柴田徹之さん、などなど)。

しかしこの情趣溢れる電車も、乗るためには事前の予習が必要となる。前のエントリで書いたように、現在売られている市街地図にはトラム路線が表示されていないので、公式路線図をプリントアウトでもして、手持ちの地図上にルートを書き込まなければならない。このルートマップが甚だ大雑把なものなので、場合によっては主要通過点一覧を使っての検証が必要になってくる。あるいは公式路線図よりは維基共有の2004年のものの方が正確だったりするのかもしれない。そこまでしても、あるはずだと思って行った街路に軌道が見当たらず無駄足を踏んだりもした。廃線が路線図に反映されていなかったのか、それとも違う道を走っていたのか結局分からず。昇降口開けっ放しで走る豪快仕様の車両といい、いかにも印度世界だね。

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まあこいつも、用がないときはしょっちゅう見かけるような気がするのに、いざ乗ろうとすると目的の便がなかなかこない、ツンデレな乗り物なんで、やっぱりあまり実用的ではない。だけど、サファリパークの遊覧バスみたく安全な(一応)とこから、賑やか過ぎる街の光景を眺めるのは実に貴重な体験だ。イエローキャブを始めとした乗用車、バス、オート、サイクルリキシャー、人力車、自転車、バイク、馬車、時には牛、そして牛並の人間(これを見よ!)などが無軌道に入り乱れる中、そいつらを掻き分けながら走るのは一種のアートに思えてしまう。最高齢で70歳、平均でも30歳になるというカルカッタ・トラム、まさに奇跡の屑鐵。

混沌のストリートで場所塞ぎのお荷物として散々肩身の狭い思いをしてきたこの街鐵、最近になってやっと欧州あたりからのエコ志向が波及して見直しがされるようになってきた。そしてどうやら昨年ぐらいから、新型車両が導入されはじめたという(Reuters 記事 Vintage Kolkata trams glam up to make a comeback)。これを実際に目にすることはなかったが、欧州の最精鋭のスーパートラムとかとは明らかにテイストが異なっていて面白い(街頭でのスナップはこちら)。まあ、これもあっという間に味のある代物になってくんだろうね。

そういや、牛並の人間で思い出したが、カルカッタは jaywalk (交通法規無視の道路横断)でも全印度的に名高いそうだ。印度自体がその分野では世界でも高水準、という中にあってだ。もちろん行政の側からの粛正の動きは常にある。中央官庁街であるBBDバーグ周辺では交通整理員が横断歩道に常駐し、赤信号時には綱を渡して渡らせまいとしていた。だけどそんなもん焼け石に水。滞在時に読んだ新聞には All are in hurry to make a shortcut to hell なんていう刺激的なタイトルで逸脱的横断を非難する記事が掲載されていた(ここに転載されている)。もちろん記事はその危険性に警鐘を鳴らしているわけなのだが、その凄い写真を見て感服した。こいつら凄いわ、これもまたもうひとつのアートなのだわな。

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