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zoom RSS 星州再訪:黒山のインド人

<<   作成日時 : 2011/09/13 21:00   >>

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8月の最後の3日間にちょいと行ってきたシンガポールのグルメとショッピングの旅の覚書き。2005年に行って以来だから6年ぶり。

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都市再開発公団(Urban Redevelopment Authority)のシンガポール・シティ・ギャラリーの展示。同じものはここでも見られる。一応セラングーン・ロードの南端一帯は Little India Historic District として保存地区になっているのだ(1989年指定)。しかし実際に歩いてみると、この国特有の「何でもかんでも砂糖菓子みたいにしちゃう」、あのスタイルでの保存の手は一切加わっておらず、自由放任型に見える。だから好きなんだよね。丹念に歩きまわれば、年を経ていい感じに枯れた味わいの現役ショップハウスも見つかる。

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シンガポールを最初に訪れたのは80年代の末ごろだったと思う。当時会社員をやっていた、その会社の社員旅行で。旅行業界とも浅からぬ関係を持つ業種だってのに、海外旅行慣れした社員は少なかった。なんで、3泊4日だかの星州でも、完全にグループ行動が課されていて、一日中男女混成5,6人組でのゾロゾロ団体行動がキツかった。この頃はまだ地下鉄も来てなかった小印度の観光もそのグループで小一時間歩きまわっただけ。レストランにもショップにも(当時どちらもまだそう数多くはなかった)入った記憶がない。唯一印象に残ってるのは、そのグループの班長だった40前後のオッさん(堂々たる体躯で、顔はラジニカーントに似ていた)が、横丁をひとしきり歩いた後に「ここはヤバい、昼間からいい男どもが所在無げに路端に座ってる、饐えたような虚ろな目で睨んでる」といって大騒ぎしたことだけ。いやその、昼間から街路でボヤ〜んていうのは南アジアでは普通のこと(早朝に農作業を終えて暑い午後には休息という農村の習慣の名残か)だし、一見すると人相悪いけど笑うと結構カワイイんだよあのオッチャンたち、などと言おうかとも思ったけど黙ってた。ともかく、ノンケの人にとっては世界一安全な星州の街路ですらキョーフの印度体験になってしまうのか、という貴重な見聞だった。

そんなこともあって、今回訪れるにあたっての予習で、「週末の夜は避けるべし、人が多く雰囲気が違う」などと旅行指南に書いてあるのを読んでも、あいかわらず大袈裟だなあと鼻で笑っただけだった。しかし考えてみたら週末の夜を小印度で過ごすというのは初めてだったかも。8月28日の日曜夕方、4時過ぎぐらいからなんとなく街路に観光客でない人が増え始めたなあという感じがあり、とっぷり暮れた7時頃には横道は印度の男衆で充満して、春休みの原宿竹下通りみたいになってた。自分では見たことはないのだが、香港の中環で日曜の昼間にフィリピン人のメイドさんが何万と集まるというあれのインド人版か、ただし時刻は夜でしかもメイドさんじゃなくて100%オッちゃんとニイちゃん限定。

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集まった皆さんは、ほとんどが手ぶら。ただただ街路にたむろって4-10人ほどのグループで立ち話、ただそれだけ(酒気帯びもほとんど見かけなかった)なんだけど、どっから湧いてきたのかというくらいの凄い数。しかも街灯がない真っ暗な路地でもお構いなしで群れ集ってる。こりゃあ確かに心臓の弱い人には勧められないわ。集まった男衆はどうやら徒歩圏外から来ているようで、地下鉄が終わってしまう真夜中の12時前ぐらいには街路は目立って空き始めた。

念のため断っておくと、これは小印度の北にある不夜城ムスタファ・センターに集まる買い物客の賑わいとは別ものである。コーランからスナック菓子まで、売っていないものはないこの24時間営業のインド系ショッピングセンターは、お手軽なレジャースポットとしてすべてのコミュニティーの買い物客を惹きつけ、週末の夜の周辺一帯は大変なことになっている。こちらの買い物客は家族連れが多い。しかし、上に述べた男だけの光景が展開しているのはそれよりも南側の、歴史地区に指定されている細い街路が交錯するエリア。

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とりあえず、その真っ黒な人混みの最中をかき分けながら歩いても、危険は一切感じなかった。ただ、この国に対する勝手な思い込み、国民総中流〜上流とか、インド系だって今は3世4世が中心でしょうとか、そういうのが見事に崩れていった。リトル・インディアはインド系シンガポール人と外国人観光客だけのものでは全然ないのだな。

これを書くために調べて見つけた記事 Not such a little India によって、インドやバングラデーシュからの出稼ぎ労働者のこの10年での急増とそのインパクトについて凡その輪郭が掴めた。記事中にもあるバングラ・スクエア(都市再開発公団の命名ではLembu Road Open Space)に面したベンガル系雑貨店 Terry Trading、その店頭TVに映るベンガル映画を立ったまま辛抱強く眺めてるオッちゃんたちのささやかな楽しみについては少しは分かったような気がする。

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