電網渉猟録BU版

アクセスカウンタ

zoom RSS 目に排ガス 夜市爆発 初ヒルサ

<<   作成日時 : 2009/11/15 16:38   >>

トラックバック 0 / コメント 2

PhotobucketPhotobucket

カルカッタの書店で買って、その後の旅行中ずっと読んでいた鐵道小説 The Strike (by Anand Mahadevan) 。読後感はそれほどスカッとしたものではなかったが、自分がヴィジャヤワーダに着くと小説の舞台も同じ場所になってたりして、なんだか気味が悪いくらいだった。1980年代、マハーラーシュトラ州ナーシクで育った12歳のタミル・ブラーミン、鉄道好きのハリが主人公。環境ゆえにタミル語よりはヒンディー語を、タミル映画よりもボリウッド映画を近しいものと感じる少年が、祖父母のいるマドラスへと里帰りする道中、時のタミル・ナードゥ州首相MGR急死の報が舞い込む。マドラスまであと少しというところで、ハリと母の乗った列車は、狂信的なMGRファンクラブ会員らによるロコによって足止めされる。少年の周りの人間模様と、彼の眼の前で起きた悲劇が絡み合って…という話。イニシエーション小説としてはちょっと残酷、もしかして実話なのだろうかなどとも疑ったりした。

「小母さんはブラーミンなの?」
彼女は頷いた。
「でも魚を食べるんだ」 ハリはただ尋ねただけのつもりだったが、それは台所では非難がましく響いた。
「そう、私たちは魚を食べるの。なにも悪いことじゃないのよ。魚のことを海の果物って呼ぶ人さえいるわ。あなただって木になる果物は食べるでしょう?」
「僕はマンゴーは好きだよ。でも小母さん、魚が海の果物だっていうんなら、何でうちの母さんは食べさせてくれないんだろ。母さんはブラーミンは純粋なベジタリアンじゃなきゃ駄目だって言うんだ」ハリは肩をすくめて言った。
ムカルジー夫人は溜息をついた。「私たちはそういう風に育てられてきたのよ。あなたのお家では魚を食べるのは問題があるんでしょうけど、私の家ではごく普通のことなの」(同書P.10-11より、勝手訳)


ナーシクに住むハリと隣家のベンガル・ブラーミンの奥さんとの会話。な〜るほど、ベンガルでは婆羅門も魚を食するのか。こういう小ネタは得難いもんだ。

PhotobucketPhotobucket


24年前、この街では訳も分からずマサラ・ドーサばっか食べてた。漠然とした「カレー」以外で一番最初に覚えたインド料理がこれだった。安くてどこにでもあって外れが少ない、理想の戦闘糧食だが、さすがにこればっかじゃ芸がない。ローカルの旨いもん喰いたい。

が、しかし、宿から歩いていっちゃん近いとこにあった飯屋は小奇麗な南印食堂 Dosa n More (43 Park Mansion / 57A Park Street)、結局ここに通い詰めてしまったのだった。だってウメえんだもん、アーンドラ出身のここのオッちゃんがよくしてくれたんだもん(言い訳)。ハウラーなどの郊外を含む大コルカタ圏の人口1600万人のうち、100万近くがアーンドラ人だという説もあるのだが本当だろうか。

前にも愚痴ったように、ともかくどこに行くべきか指南してくれる資料が限られてる。『ロンリープラネット』のレストランセレクションは肉ドカ食いのヤングな白人バックパッカー向けのものだから、読むだけで食べたくなくなるようなもんばっか。それに僅かながらローカル料理のレストラン情報があっても随分離れたとこのもので、食事のためだけにタクシーに乗って出かける気力がすでに無くなっていた。

もいいいや、ってことでロンプラに載ってた比較的近場の飯屋を目指し、有名な安宿街、サダル・ストリートの方に向かって歩く。

PhotobucketPhotobucket
PhotobucketPhotobucket

食堂はすぐに見つかった。が、それ以前に店の周辺が凄いことになっていた。ここはチボリ公園かっ!ってくらいの光の海。といっても別にテーマパークとしての演出の一環でそうなってるんじゃなくて、商業活動・購買活動・その他もろもろが勝手に混ざり合って混沌の光の祭典となっている。まったく予備知識なく足を踏み込んだこの一帯、あとから調べて New Market (正式にはS S Hogg Market)と呼ばれる古いバザールであることがわかった。1863年から1877年の間カルカッタ市長だったスチュアート・ホッグの号令によって創設された。今でも当時のレンガ造りの建物の一部を残しており、ヘリテージ・マーケットとも形容される。が、単なる歴史の遺物ではなく、今でも「ここで買えないものは無い」といわれるくらいの大商業地帯。市場の建物のまわりの街路にも小売店が蝟集し、日曜日の夜ということもあり、人、犬猫、牛、乗用車、人力車、その他もろもろでごった返して凄いことになってる。買い物する奴、ただボケッとしてる奴、かと思うととある商店の前で赤旗掲げて示威活動する一団も。

昼間街を歩きながら、カルカッタ市街地の商業施設の地味さについてぶつぶつ言ってたりしたのだが、あるとこにはあるんだ(しかし無いとこには全く無い)。この近くで初めてスーパーマーケットも見かけてやっと旅行中の日用品も買い整えられた。

指南書で「安いのがとりえのベンガル魚料理専門店」と評されていたPrince Restaurant (17d Mirza Ghalib Street)、確かにめちゃ安。そして薄汚れてて暗くて愛想が無い。単品メニューの中でただひとつ100ルピーを超えていた Hilsa Shorshe (ヒルサのマスタードソース煮)と御飯とダルを注文。ヒルサはベンガル語では ilish、バングラデーシュでは国魚でもある。淡水で育ち、成魚となって海に出て、産卵のために再び川に戻るというサイクルを持ち、オイリーな成魚を味わうベストシーズンは9月から10月にかけて。日本人にとっての鯛や鰻のように、ちょっと特別なご馳走の素材であるらしい。出発前にカルカッタに行くんだといったら、知り合いのリッチなキャリア女子のMちゃんが一言、「ヒルサの美味しい時期じゃないですか〜?」。一度もカルカッタに行ってないのにこの適切な一言、Mちゃんさすが!

唯一の欠点とされる小骨の多さもなんのその、塩気の効いたダル(東京の行きつけのネパール料理店のものとそっくりな味付けで妙に感動した)と一緒にドカ食いして、〆は代表的なベンガル・スイーツミシュティ・ドイで。

よれよれのふらふらだったのが一気にシャキッとなったような気がした、滞在2日目の晩にしてやっと。

PhotobucketPhotobucket

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うわ〜、写真の料理はどれもめちゃくちゃ美味しそうですね。

>『ロンリープラネット』のレストランセレクションは肉ドカ食いのヤングな白人バックパッカー向けのものだから、読むだけで食べたくなくなるようなもんばっか。

笑いました。大爆笑。まさにその通り!
うちの相方なんか、ベジ食べると、あとで「肉がないから食べた気にならん」と文句言いますから。『ロンリープラネット』のレストランと宿のセレクションは、ちょっと私にも合いませんわ。
花隈會舘
2009/12/03 14:41
ホント、限られた紙面しかないのになんでピザ屋を紹介するかね〜と憤りますわ、孤独な惑星。でも、惑星ビッグバンの地ご出身の相方様のリアクションを伺うと、しょうがないのかなとも思いますね笑。
Periplo
2009/12/03 17:40

コメントする help

ニックネーム
本 文
目に排ガス 夜市爆発 初ヒルサ 電網渉猟録BU版/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる