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zoom RSS そろそろベンガル映画でしょ2

<<   作成日時 : 2009/11/13 01:59   >>

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各種のくどくど断り書きは前回のエントリーを参照。こんなメモでも書いておけば、いつか他人の役に立つ日が来るかもしれない(し、来ないかもしれない)。

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1.Bombaiyer Bombatay (2003) Dir. Sandip Ray, Cast:Sabyasachi Chakravarthy, Parambrata Chatterjee, Bibhu Bhattacharya, Anjaan Srivastav, Rajatava Dutta, Ashish Vidyarthi
■探偵小説作家ラールモーハンと友人でネタ提供者でもある探偵プラドシュ・ミッタルが、その作品のボリウッドでの映画化にあたってボンベイでの撮影見学に招かれる。おのぼりさんの彼らを待ち構えていたのは、映画プロデューサーの住むマンションでおきた殺人事件だった。
●6枚のなかで唯一ジャケ買いしたもの。サタジット・レイによる推理小説を息子であるサンディップ・レイが映画化。シリーズ化された探偵ものの一作らしい。サウス映画の悪役で御馴染みのアシーシュ・ヴィディヤールティが出てるというだけで買ったんだけど、かなりお勧め。制作会社がここだってのには吃驚。メインの筋とは別に、ベンガル(映画)人からのボリウッドに対するおちょくりが出てくるのが楽しい。が、作中で典型的なボリウッド映画としてちょっとだけ登場するフィルムにはサウスの某スターさんの顔が出ててたまげた。気障な××さんは自分がベンゴーリー映画に引用されたことを知ってるんだろか?監督自身の但し書きによれば、これは子供向けのスリラーだそうだ。どぎつさが無く鄙びた味わいなのはそのせいなのか、単に予算がないだけなのか。作中に、チョイ役だがサウスからやってきたスタントマスターのヴィクター(といってもベンガル人俳優がやってるのだが)というのが出てきてイイ味だしてた。それから女性のキャストが全く登場しないのには驚いた。2008年にはシリーズの何作目になるのか不明ながら Tintorettor Jishu が公開された。今回の舞台は香港。しかし上のリンクにあるスチル写真の古臭いイメージにはさすがに笑った。

2.Dosar (2006) Dir. Rituparno Ghosh, Cast :Konkona Sen Sharma, Prasenjit Chatterjee, Pallavi Chatterjee, Parambrata Chatterjee, Chandrayee Ghosh,
■中産階級の主婦カーベリの平凡な生活は、夫が交通事故で瀕死の重傷を負った日から激変する。泊りがけの自動車旅行の帰路の事故、彼が運転する車の助手席に乗っていて即死したのは、夫の職場の同僚で、小さな子供もいる既婚女性だった。
●全編をモノクロで撮影した正調文芸映画。ベッドから立ち上がることもできない夫を妻は許すのか、見捨てるのか。サウス映画じゃないから、通俗的な婦道モデルが無条件に適用されたりはしない。どこまでも近代的な個の世界なんだ。このモノクロ・ワールドでずーっと怒りまくってる妻役、コンコナ・セン・シャルマがゾクゾクするほど良い。Titli (2002、下記)での小娘、Mr. and Mrs. Iyer (2002)での(タミル人の)若妻と見てきたが、本作での大年増役にはやられた。オイラが亭主だったら、妻の怒る顔見たさに浮気を繰り返す人間の屑になっちまうね、いやホント。

3.Khela (2008) Dir. Rituparno Ghosh, Cast :Prasenjit Chatterjee, Manisha Koirala, Raima Sen, Ak
ashneel Dutt Mukherjee, Shankar Chakravarty, Haradhan Bannerjee, Pushpita Mukherjee, Bharat Kaul, Rupa Ganguly
■妥協を知らない映画監督のラージャーは、仏教の少年活仏の物語を映画化するに当たって、子役を探しあぐねていた。ある日町で見かけた学童アビルップをスカウトするのだか、少年の両親は認めない。映画に出たいアビルップは両親に書置きを残して一人で撮影キャンプに参加する。家出少年となったアビルップとの共同生活の中で、ラージャーは暗礁に乗り上げた妻との家庭生活を考え直す。
●携帯電話も通じないような山奥で繰り広げられる映画撮影の描写が興味深い。なるほど、子役というのはこうやって宥め賺して時に脅したりもしながら演技を引き出していくものなのか、勉強になるなあ。妻役のマニーシャー・コイララ、それから衣装デザイナー役のライマ・セン、両方ともめっちゃイイ! 「教養を重視するベンガルでは、女性の美しさは華美に走ることではない。昔から綿の普段着サリーと縁の太いメガネがベンガル女性のトレードマーク。素っ気ない、取り澄ましたところに色気があるクール・ビューティー」(世界のキレイ・インド編、「カルカッタの女の子」より)、そーなんすよ、サタジッット・レイの昔から、ツンツンお澄ましベンガルっ子は太っとい黒ブチ眼鏡って決まってたわけなのよ、アキバあたりで眼鏡っ子なんて騒いだりするずっと前から(威張り)。最大の見所はツイン・ヒロインの眼鏡、お勧めです。

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4.Swapner Din (2004) Dir. Buddhadeb Dasgupta, Cast:Prasenjit Chatterjee, Rajesh Sharma, Rimi Sen, Arijit Dutta, Raima Sen
■州政府の雇われ映写技師のパレーシュは、農村部を巡回して家族計画にまつわる退屈な教育映画を上映するのを仕事としている。ある日新顔の運転手チョポルとともに巡回に出かけた先で、無銭旅行ではるばるグジャラートからやってきたベンガル人の未亡人アーミナと出会う。二人は夫を暴動で失って落ちのびてきた彼女に同情し、故郷バングラデーシュに戻るのを助けて国境まで送ってやることにする。ところがその途中何者かによって映写機材一式とフィルムが盗まれてしまう。
●現と夢の境目がはっきりしない、最も芸術的なタッチの作品。しかしアート映画にありがちな退屈さはない。個人的にロードムービーだから点が甘くなるというのはあるかもしれないけど。国境地帯の茫漠たる光景には心打たれるものがある。映像詩人ブッダデーブ・ダスグプタの面目躍如というところ。ベンガルもまた豊かな(豊か過ぎ?)水の国であるはずなのだが、どの映像作品で見てみてもともかく凍てついて寒々しい感じなんだ、水は流れてはいるけど。実際に行ってみれば耐え難い湿気や酷暑に襲われるのを知っているので、不思議だ。マラヤーラムだと「芸術映画では無闇に暑そう&娯楽映画では気候を無視した無茶ばっか」ってのがあるんだけどね。孤愁を感じさせる印度映画を見たい人にはお勧め。

5.Swapner Feriwala (2002) Dir. Subrat Sen, Cast:Subrata Dutta, Ferdous Ahmed, Nilanjana Sharma, Dipankar Dey, Baisakhi Marjit, Haradhan Bannerjee
■かつての大ザミンダール・ロイチョーダリー家は、所領の全てを失い、唯一残ったコルカタ市内の大邸宅でひっそりと暮らしている。老当主は年とともに迷信に走るようになり、ヴァーラーナシーへの巡礼の際に出会った怪しげな霊能師とその助手の女を自宅に住まわせるまでになっている。無気力な一族の中で孫娘のトゥルニだけは外の世界に眼を向けているが、家の乗っ取りを謀る霊能師の前になすすべがない。そこにショームとシッダールトという二人の謎めいた若者が現れ、救いの手を差し伸べようとする。
●これは唯一見終わってブーイングの作品だった。歳経た大邸宅、いんちきグル(カルカッタに降霊師、っていうのはパターンみたいだね)、えっちな霊媒女性etc.と道具立ては最高だったが、クライマックスにきて突然「卒業制作」になってしまった。エンディングロールの「ジャン・リュック・ゴダールに捧ぐ」まできてタハッと笑っちゃったね。ゴダールというのは目眩ましでファイト・ヘルマーあたりからインスピレーションを貰ってきたんじゃないかねえ。見どころは本作でデビューのニランジャナちゃんだ、サウスに来ないかな。映画のオフィシャルサイトあり。

6.Titli (2002) Dir. Rituparno Ghosh, Cast:Mithun Chakraborty, Aparna Sen, Konkona Sen Sharma, Dipankar Dey
■ダージリンのティー・エステート経営者の娘ティトリは子供っぽさとマセたところが同居した高校生。ベンガル映画界からボリウッドに転じて成功した壮年のスター・ロヒット・ロイの大ファンで、独身を通している彼との結婚を本気で考えている。ある日、出張から戻る父を迎えに母と共に山を下りる道すがら、山中で故障したバンの乗客を同乗させることになる。乗り込んできたのは、単身ロケに来ていたロヒットその人だった。
●主役はコンコナ・セン・シャルマなのだが、ボリウッド大スター役のミトゥンには唸らされたね。もちろん最初に登場してくるところでは「このオッサンがスターかよ」と思うのだ、いつものように。が、見終わる頃にはその風格に圧倒されている。作中の設定では、東ベンガル出身の貧しい難民の生活からベンガル映画界に何とか入り込み、下積みの後にボリウッドでアクションスターとして大成功をおさめた人物ということになっている。その彼が、絶頂期の(もちろん国家元首並の分刻みに多忙な)生活を振り返って述壊するシーンでは、なんだかしみじみとした気分になってしまったよ。ボリウッドのセレブとしてサバイバルレースに生き残ったモンスターのような人たちは、多分皆これを経験してんだろうね。かのダージリン鉄道が、さも当然という顔でさりげなく画面に写りこむところなども奥ゆかしい。これもお勧め。

こうやって振り返ると、ソングシーンなし、短尺というのに加えて、登場人物が極端に少ないというのも共通項だということがわかった。多分予算の制約というものもあってのことなのだろうけど、ミニマリズムの中での面白さの追求という点で、非常に高レベルのものを見ることができたように思う。これは幸運な偶然なのか、それとも元来の水準の高さなのか。お目当てだった娯楽映画とは違うところでではあったが充分に楽しかった。

ここで紹介したDVDをお求めになるのなら、今のところのお勧めは Induna.com. あたりだす。

Photobucket
街で見かける映画ポスターは数も少なく、いたって地味なものだった。カットアウトが林立する映画興行街のようなものは果たして存在するのだろうか。上の写真はDujone (2009) Dir. Rajiv Kumar のもの。本作はさるレビューによれば、Yeh Dil (Hindi - 2003) Dir. Teja からのパチリで、しかも Yeh Dil 自体がNuvvu Nenu (Telugu - 2001) Dir. Teja からのリメイク、とのことだった。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
【Yeh Dil】ってテルグのリメイクなんですか!
オリジナル、見なきゃ。

って書いて、あ、【Yeh Dil】自体見てないわ。
ドイツ版があるからディスクを目にしてただけだったわ。
トゥシャール・カプールの間抜け顔が苦手でねぇ。
面白いんですかい?
Piyo
2009/11/17 21:51
【Yeh Dil】なんてのまでドイツ語版が出てるんですかい。【Nuvvu Nenu】も粗筋を読むだにつまんなそうだけど、「ウダイ・メガスターの婿になりそこなった男・キラン」を見るのには悪くないかも。今どこにいるんだろ、ウダイ君。
Periplo
2009/11/18 01:02
あ、ウダイですかい。
じゃぁ、パス。
Piyo
2009/11/18 23:13
そうそう、【Yeh Dil】ドイツアマゾンにて

http://www.amazon.de/Yeh-Dil-Dieses-Limited-Digibox/dp/B000FBHOB2/ref=sr_1_195?ie=UTF8&s=dvd&qid=1258553831&sr=1-195

5,99EUR、800円ぐらい?
Piyo
2009/11/18 23:19

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